事故②
無事診察が終わり、総合病院の広いロビーに出ると、警察官2人と運転していた当事者の男性が待ち構えていた。先に警察の方と話をする。
事件にするか、事故にするか。
事件なら相手を罰することができる。
すぐに選択しなくても良いとのことだが、相手の方も猛反されている様子だし、私もそこまで大したことにはならないだろうと判断し、
事故で処理してもらえれは、とその場で回答した。
一応後日連絡をくれるらしい。
普段そんなに関わらないが、こんな時の警察の対応は大変頼もしい。もちろん、お世話にならないのが一番ではあるが、、
事情聴取がおわると、少し遠巻きにいた加害者の男性が近寄ってきて、平謝りされた。
こちとら両親二人共に、車椅子に乗ったボロボロの私。
もし立場が逆だったらこちらも土下座もんだ。
事故したくてする人なんているわけない。
大丈夫ですから、、と、連絡先だけ交換してお帰りいただいた。
保険会社にも連絡済みのようでとりあえずお会計など立替もせずに済んだ。(母曰く5万近く支払っていったらしい。保険って大事、、。)
そしてようやくやまちゃんに電話をした。
絶対にびっくりするからなるべく明るい声で、
いやあ、車に轢かれちゃってさあ〜〜…
と言ったものの、やはり動揺している。
そりゃそうだよなあ。帰って、一緒にご飯食べるはずの人間が車椅子のって病院にいるんだから、、。
大丈夫なの!?血、でてない!?
と言われてちょっと笑った。かすり傷はいくつかあったが出血は大したことなかった。
大丈夫だよー笑
と、ひとしきり話をして、とりあえず電話を切る。
母の車まで車椅子で移動し、父を支えにしてなんとか車に乗り込む。
もうクッタクタである。お腹もすきすぎてもはや気持ち悪い。しかしこれも不幸中の幸いとして、実家のごはんがなぜかしっかり一人前残っていたのだ!
母の作る料理はピカイチだ。
贔屓目なしで、料理上手な母。しかも大好物のからあげ。痛みはどんどん酷くなり、支えがないと歩けないほどだったが、なんとか落ち着いて夕食にありついたとき、やっと心からホッと、生きている心地がした。