姉さんの誤算

もうすっかり寒くなってきた。初めて相談所を訪れた時はまだ半袖を着ていたのだから、さっさと話を進めていかなくては一向に追いつかない。書き記したいことは山ほどあるのだ。いくぞ。さて、オンライン相談を経て、いよいよ入会の手続きをすべくのそのそと姉さんに会いにいった。着くなり、「あら!小柄でいらっしゃるのね〜〜!どうぞ〜〜♡」と個別の塾みたいに区切られたブースへ案内された。そう、私は小さい。150センチしかない。体重は変動が激しいが大体45㎏前後だ。決して細くはないがやはり小さい印象なのだろう。姉さんはヒールのせいもあってか背が高い。「デキる女」って感じだ。入会の説明やプロフィールの作成など、様々な手続きや説明を雑談を交えながらテキパキ進めていく。心理テスト(結婚診断みたいな内容)のようなものから会費の引き落とし口座の登録まで、2時間近くに渡りブースに缶詰状態でお腹が空きすぎて気持ち悪くなりかけた。ひとまず手続きは終わり、源泉徴収票やら戸籍抄本、卒業証明書などは後に写メを撮ってメールに添付するよう言われた。入会料、一月分の会費をクレジット払いにする。お値段およそ10万円、、、この時すでに9月の後半に差し掛かっていた。けち臭いと思われるかもしれないが「えーっと、これは9月分からのお支払いってことですよね、、?」と一応それとなく聞いてみる。ひょっとしたら日割り的な割引がないかという期待を込めて。「はい、そうですよ〜〜」姉さん即答。そりゃそうか。シュン。しかしまぁ向こうだってビジネスである。思い切って一括払い!これで結婚相手が見つかるなら、安いもんだ!こうして晴れて手続きを済ませた私はなんだか一仕事終えた気分で、帰り道に見つけたやたら本格的なカレー屋でお腹いっぱいスパイシーなカレーを食べて満足して家に帰った。後日、必要書類を全て提出し、いよいよ本格的に活動開始かと思われた矢先、問題が発生した。私は一人暮らしをしている。実家も近いが、いつまでも親のすねかじりでは居心地も悪い。3年ほど前から職場の近くにアパートを借りていた。しかし、住民票は移し変えてなかったのだ。そのような場合、親と別居していることを証明できるものを用意しなければ、相談所の審査に通らないらしい!!すぐさま姉さんから電話がかかってきた。「電気料金の領収書や水道料金の検針票、なんでもいいから残してない!?」、、、ない。全ての公共料金は引き落としにしているし、水道料金の載った検針票もつい先日捨ててしまったのだ。賃貸契約書も古過ぎてNG。こりゃ困った、、。せっかく全ての提出書類を準備したのにここでつまづくとは。しかし、その証明ができなければ活動することができない。もう9月も終わりがけ。全然活動できないまま10月に入ってしまっては会費がもったいなすぎる。住民票を移しかえるしかないのか、、でも会社休めないし、、ってかそんなすぐ手続きできたっけ?えーっと市役所って何時までだ??いろんな問題が頭を駆け巡る。。。あ!ああああ!!!そういえば、電気会社のアプリに登録してなかったっけ!!??そこから電子領収書が発行できたかも、、、??!!急いでスマホを確認する。思いつく限りのIDやらパスワードやらを叩きまくる。い、いけたーーーー!!!ちゃんとアパート名の入った領収書!!!よかったよーう涙 発見したのは夜の10時過ぎ。とりあえずメールに添付して送る。姉さんも気にしてくれていたのか、すぐに「これで大丈夫です!」と返事をくれた。ちょっと手こずったが、審査がそれだけ厳しいってことだ。無料のアプリなんかで相手を探すのも全然ありだと思うが、既婚者が紛れ込んでいたり詐欺にあったりする場合もある。正直私にそんな遠回りをしている時間は一秒たりともないのだ。最速で相手を見つけなければ。そんなこんなで登録はギリギリ9月中にできたのだが、やっぱり9月は誰ともお見合いすることはできなかった。婚活は思い立ったらすぐに始めた方がいい。ただ、もし後数日で月をまたぐようなら、月初めにした方がいい、かもしれない。(相談所によって金額設定も違うだろし、その数日ケチったところで運命が変わるかもしれんからなんとも言えないが、、、)そんなこんなであっという間に、夏が終わったのであった。